<10>立川談志没後10年「うちの師匠は希代の落語家だったと思います」

公開日: 更新日:

 最後に、没後10年になる談志について再び語ってもらおう。

「うちの師匠は、共に四天王といわれた先代柳朝師匠の『江戸前の歯切れの良さと豪放さ』と、先代円楽師匠の『知識と寄席への強い恋慕』と、志ん朝師匠の『こまやかな優しさとオーラ』、それらの要素をすべて兼ね備えた希代の落語家だったと思います」

 それは弟子から見た贔屓目でなく、事実だと私も思う。

「師匠は目下の者にでも、親切にされると必ず、『ありがとう』と礼を言いました。それがごく自然で、東京人らしいスマートさがあった。言われたほうは、たまらなくうれしいもんです。私もそれを真似たいと思ってます」

 談志の「ありがとう」は私の記憶にも強く残っている。最後に見舞った時の筆談でも、「ありがとう」と書いたものだ。

 談幸は噺だけでなく、談志イズムも継承しているのだと感じた次第である。

(聞き手・吉川潮)

■出演情報

浅草演芸ホール 十月上席後半(10月6~10日)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方