清原果耶に“枷のある恋愛物語”は大正解!「ファイトソング」の脚本は岡田恵和
火曜ドラマ「ファイトソング」(TBS系)の注目ポイントは2つある。まず、ヒロインが民放ドラマ初主演の清原果耶であること。もうひとつが岡田恵和によるオリジナル脚本であることだ。
児童養護施設出身の木皿花枝(清原)は、空手の有力選手だったが挫折。さらに聴神経腫瘍で数カ月後の失聴を宣告される。そんな花枝が、どん底状態のミュージシャン、芦田春樹(間宮祥太朗)と出会う。マネジャーから「恋愛でもして、人の気持ちを知りなさい」と言われた芦田は、花枝に交際を申し込む。
さらに同じ施設で育った夏川慎吾(菊池風磨)が花枝を好きで、その慎吾を施設仲間の萩原凛(藤原さくら)が好きだったりする。この2人、自分の恋ごころにブレーキをかける姿がいじらしい。それがドラマ全体に漂う、もどかしさと切なさを倍加させている。
耳が不自由になる前の「思い出づくり」を決意する花枝。事務所解雇の期限が迫る芦田。互いに期間限定の「恋愛もどき」のはずだったが、芦田の解雇が早まったことで事態は急展開だ。
もともと“ピュア度”の高い清原だが、岡田が用意した「枷のある恋愛物語」は大正解。人を好きになることと、病を抱えたことで成長していく、難しいヒロインを丹念に演じている。そして登場人物たちに共通の不器用な生き方を見つめる、岡田のまなざしが温かい。