追悼・松鶴家千とせさん 糟糠の妻の支えで克服した「対人恐怖症」

公開日: 更新日:

 しかし、人気は長く続かなかった。新しいネタが続かなかったこと、そして、芸人からの嫉妬に参ってしまったのだ。千とせが次に予定されているテレビ出演に間に合わないように、他の芸人がわざと長く舞台をするなどということがあったという。仕事は激減し、舞台に上がることさえ怖くなった。

「お客さんが隣同士で何かしゃべっていると、はっとするんです。俺の悪口を言っているんじゃないかって。自分のしゃべりよりもそっちが気になるから、ネタが進まない。気がついたら、汗がダラーッて流れている。他の客がそれに気がついて“おまえ、何をやっているんだ”と言われると、なお焦っちゃう」

 妻と病院に行くと、対人恐怖症と診断された。治療薬はない、人前に出て慣れることだと言われた。

「すると女房は銀行から二百万円下ろして競馬場や競艇場に連れていった。最初は嫌でしたよ。なんで仕事していないんだって言われる。そうすると汗をかいちゃう」

 妻はそうした男たちに立ちふさがり「あんただって、こんなところ来ているんだから、仕事していないでしょ」とたんかを切った。二百万円を使い切る頃には、対人恐怖症は治ったという。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」