「昇也は何をやっても器用にこなします。ただ、それで終わって欲しくない」

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 5月半ば、昇也の真打ち披露興行を見るため、浅草演芸ホールの夜席に出かけた。平日で雨天にもかかわらず、大入りである。昇也が入っていた若手落語家のユニット、成金のメンバー9人が、日替わりで出演していることもあるのだろう。

 中入りの後、恒例の披露口上だ。幕が上がると、昇也と同時昇進の春風亭柳雀をはさんで、昇太、鯉昇(柳雀の師匠)、協会幹部の桂米助、桂竹丸らが並ぶ。司会は笑点メンバーの桂宮治とあって、まるで大喜利のような雰囲気である。

 しかし、師匠の昇太はあくまで真面目に口上を述べた。

「昇也は非常に器用で、何をやっても器用にこなします。ただ、それで終わって欲しくない。もっと実力を出してもらいたい。先が長い商売です。お客さまには末永く応援していただきたく存じます」

 深々と頭を下げた。お辞儀をしたまま聞いていた昇也は、さぞや感慨深かったろう。続いて竹丸が、「先輩を先輩と思わないヤツです」と笑わせてから、「達者な男なので、必ずや落語界を背負って立つものと期待してます」と結んだ。

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