戦前や明治どころか、日本は天保の時代から1ミリも変わっていない!
飯岡助五郎はお殿様を接待し袖の下を渡し、お上から十手をいただき岡っ引きになる。警察権をもらうわけだ。権力を後ろ盾にして力の支配を正当化する。奇麗な娘がいれば、その父親を博打ではめて借金をつくらせて、そのかたに娘を売らせ、芸者や遊女にして殿様や豪商にあてがう。それを救うのがどこの一家にも属さない旅から旅の旅ガラス。
これが痛快時代劇のお約束だが。一匹狼が権力を敵に回すのは、公開当時の左翼運動などの影響があるのかもしれない。
さてこの構図。よく見りゃ今も変わらない。殿様を政治家、豪商は大企業。農民は値上げや税金に泣く一般庶民。祭りは「万博」、賭場は「カジノ」。身売りされるのは「派遣社員」だ。
政府は戦前や明治に回帰してるのかと思ったら、一周回って江戸時代にまで戻ってしまったのか。
いや、ひょっとしたら天保の時代から、この日本は1ミリたりとも動いていないのか。