著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

うそかまことか…島田洋七の80年代漫才ブーム時の仰天エピソード2選

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 にわかには信じられない話でしたが、後年、吉本の方に伺ったところ「あの当時フリー状態であれだけ仕事をしてたら、それぐらいはあったん違うかな」とみなさん一様におっしゃっていました。後日談で「そんな大金手にしたことないから、家建てたり、兄貴の漁船を新造したりして全部使こたら、翌年税金が5億円ぐらいきて、経験がないからそないぎょうさん税金が来んのん知らんがな。払うのに何年もかかったがな!」とちゃんとオチまでついていました。

 もうひとつはビートたけしさんと「ポルシェを買おう」と2000万円をビニール袋に入れてTシャツとジーパンでショップへ出かけ「おまえ、どれにすんねん」と車種を決めて「これちょうだい」「お支払いは?」と聞かれた時に袋から帯封の100万を出して「100万、200万、300万……」と積み上げていったら「店員があ然としとったな、そんな支払いする客おらんやろ。成金のアホやで、けど気持ち良かったな」。キャッシュレスが主流の現代では考えられないことですが、芸人としては夢のあるお話でした。たけしさんは自分がポルシェに乗っているところを見たかったそうで、「俺が運転したんじゃ、俺が見えねえじゃねえか!」とボヤいておられたとか……。

 次回はこのたけしさんの気遣いにホロッとされた洋七さんのお話を……。

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