宮沢氷魚と鈴木亮平の“等身大”演技が光る 映画「エゴイスト」が描くLGBTQ+のリアル
俳優の宮沢氷魚(28)が6日、都内で行われた映画「エゴイスト」の日本外国特派員協会の記者会見に登壇した。同作は原作者・高山真氏の自伝的作品で、宮沢は主人公の鈴木亮平と愛を紡ぐパーソナルトレーナーの青年を演じている。
アメリカ生まれの宮沢は、流暢な英語でスピーチし、英語の質問には英語で、日本語の質問には日本語で対応。ゲイの青年を演じるにあたり、宮沢は「15年来の友人が当事者で、彼は心地よく過ごせる居場所をずっと探しているんだなと感じたので、友人のために何か少しでも、またLGBTQ+のためにも何かできるのではないかと思いました」とコメント。本作は性的指向・表現について、LGBTQ+インクルーシブディレクター、インティマシーコレオグラファーというスペシャリストが監修。撮影現場について聞かれると「現場で何を期待されているのかわからないまま演じる怖さがありましたが、(LGBTQ+インクルーシブディレクター、インティマシーコレオグラファーが監修していることで)その都度確認できたし、臆さずに演技できた」と語った。
■生活感をごく自然に描いている
同作について映画ライターの金澤誠氏は「カメラの撮り方がドキュメンタリー的で、彼らの目線に寄り添い、生活感をごく自然に描いている。たまたま“愛の形が男と男である”というだけで、LGBTQ+を主眼に置いているわけでもなく、最近多いBL(ボーイズラブ)的な耽美系でもなく、等身大に描かれている点でとても好感が持てる作品。フィルターをかけざるを得ない社会状況において何かを感じてほしいという監督の思いで、丁寧に作られている」と解説する。