天海祐希演じる「上水流涼子」の圧倒的な存在感! 宝塚出身女優はスケールが違う
17日、天海祐希が主演の「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」(カンテレ制作、フジテレビ系)がスタートした。天海が演じるのは頭脳明晰、変装を武器とする元弁護士でワケありの女探偵・上水流涼子。松下洸平演じるIQ140の相棒・貴山伸彦とタッグを組み、依頼者の問題をあり得ない方法で解決していく極上痛快エンターテインメントだ。初回視聴率は9.3%、個人5.3%だが、内容は悪くないので、アップも期待できそうだ。
月曜のフジは21時から木村拓哉主演の「風間公親─教場0─」だが、こちらは陰々滅々、笑顔を封印したキムタクが終始苦虫を噛み潰していて、見ているとこちらも鬱々としてくる。
一方、天海のドラマはコミカルだし、月9の憂さを晴らしてくれる爽快さがある。眉間に皺を寄せて深刻ぶる風間より、ショベルカーで小屋を丸ごと破壊する上水流のあり得なさが心地いい。
2時間ドラマがなくなって久しいが、このドラマにはいい意味で2時間ドラマの緩さがある。キャディーに扮してすっとんきょうな声を出したり、マッサージ嬢に扮して「イッショケンメイガンバリマス」とカタコトでしゃべったり、ヨガのインストラクター姿もサマになっていた。
相棒の松下を「チェリー」呼ばわりし、セクハラだなんだというやりとりも、笑えるのは天海のキャラクターによるものだろう。その一方で、何者かに罠にかけられ、弁護士資格を剥奪された経緯などの伏線はシリアスで、バランスも絶妙。一気に物語に引き込まれた。
天海は「BOSS」や「緊急取調室」などのイメージからか、理想の女性リーダーベスト10などでは必ず名前が挙がるほどだが、今回の女探偵役で俳優としての幅もさらに広がるに違いない。