こん平師匠に「うちの師匠は下ネタを嫌ったんだ。それを倅がやるとは何事か」と迫られた
1980年9月20日、先代林家三平が亡くなった。こぶ平はまだ前座である。
「父親と師匠、いっぺんに亡くしました。最後のテレビ収録で、新作の『源氏物語』をやったのですが、体力が弱ってますから、めちゃくちゃな出来でした。それでもやりたがるのが三平なんです」
私はその収録現場を見ている。「まだできる」と主張するような芸人の執念を感じさせる高座であった。
「それから間もなく亡くなりました。お弟子さんがたはバラバラになりたくないと言うので、全員が総領弟子のこん平師匠の門下になったわけです。当時の師匠は『笑点』で売れてましたが、まだ38歳です。それでも一門がまとまりました」
その翌年、こぶ平は二つ目に昇進する。一緒になったのが桂三木助(先代)だ。
「落語家の家に生まれて後を継いだ者同士ということもあって、仲良くしてました。昇進記念の会も2人で開きました」
昇進後、両人ともマスコミで売れる。