ジャニーズ2度目記者会見「ジュリー氏は説明責任を果たしていない」危機管理の専門家バッサリ
約300人の報道陣が集まり、テレビ局5局が生中継した10月2日のジャニーズ事務所の記者会見。1カ月前の9月7日の会見と比べてどうだったのか。企業の危機管理に詳しい危機管理コンサルタントで、社会構想大学院大学教授の白井邦芳氏はこう言った。
「今日の会見で国民が求めていた点は、社名変更または新会社の有無、株式の取り扱い、ジュリー氏の処遇、再発防止策や被害者補償の具体的明示、ガバナンスの適正化策等についてであり、これらの点においてはほぼ説明がなされたと認識し、一定の評価が与えられます。具体的には、ジャニーズ事務所の社名変更を経た上での廃業、新会社の事業スタイルの変更、ジュリー氏の完全撤退、被害者補償・再発防止策の明示とスケジュールの開示、ガバナンスの強化としてコンプライアンスオフィサーや臨床心理士及び外部のアドバイザリーボードの招聘、グループ人権方針の制定など、説明すべき点について一応は網羅されています」
■手紙は不適切
それらの点については評価できるものの、問題点について白井氏は、「一方で、全容把握ができていない状況下で、ジュリー氏が不在。手紙という方法でコメントを出した点は、どんな言い訳があったとしても代表権を有する取締役として説明責任を果たしておらず、不適切です」と指摘した。
ジュリー氏のコメントは、会見に出席した井ノ原快彦副社長が読み上げ、記者は会見終了後に白い封筒に入れられた4枚のプリントを渡された。母メリー氏との関係の中で、パニック障害と診断され、そのために会見に出席することができないと記載しているが、これでは白井氏が指摘する通り、説明責任を果たしておらず、雲隠れのそしりは免れない。