歯科技工士の4割が「年収300万円以下」の衝撃…深刻な人手不足で入れ歯・差し歯“難民”が続出する
口腔ケアに欠かせない「歯科技工士」が大ピンチだ。長時間労働・低賃金・高齢化の三重苦で、このままでは入れ歯・差し歯の治療難民が続出しかねない。
歯科技工士は患者の歯の形に合わせてクラウン(かぶせ物)やブリッジ(架工義歯)、入れ歯などを作る職人。専門の養成機関に入学し、2年以上学んで初めて受験資格を得られる国家資格だ。
近年は加工や設計に3Dプリンターなどが導入されているが、最終的な調整には技工士の職人技が不可欠。歯の治療に必須の存在だが、彼らの置かれている環境は極めて悲惨だ。
10万人を超える医師・歯科医師らで構成される全国保険医団体連合会がきのう(24日)、全国の歯科技工所を対象に行ったアンケート調査(昨年9~10月実施)の結果を公表。会見で技工士の処遇改善を訴えた。
回答した技工所のうち「個人」が7割超。年齢区分は30代未満が4.4%に対し、50代以上が8割超を占める。高齢化の一途をたどるが、「後継者不在」は8割を超える。
なり手不足の要因のひとつが、異常な長時間労働だ。「週70時間超」の労働時間が実に4割にも上る。週休2日だとしても、1日あたり14時間以上は働いていることになる。