和牛解散に“家一軒失う損失”と惜しむ島田洋七が「M-1王者の人気が長続きしない」と語るワケ
2、3分の短尺ネタばかりで長時間ぶっ続けで客を沸かせる芸人が皆無
こう話す洋七は、和牛が3年連続準決勝に進んだⅯ-1の審査員を2002年から5年間務めていた。
「審査員は本当に大変でした。僕はその日にウケたのを1位に選んでましたが、100メートル走と同じです。2、3分のネタでその子たちの将来性なんてわかるワケがないじゃないですか。最近はⅯ-1で優勝しても、半年くらいで消えるお笑いが多いのは、2、3分のネタしかできないから。バラエティ番組ならいいですが、舞台では持ちません。吉本の場合は劇場で6、7分のネタをやらされますが、他の事務所のライブだと2、3分のネタを2本くらい用意してと言われる。2、3分じゃ自己紹介で終わってしまって、芸人のキャラクターまでは伝わりません」
洋七は漫才ブーム全盛の頃、「ツービート」のビートたけし(76)と組んで、業界用語で言う“しょくない(アルバイト)“でコンビを組んで、2時間しゃべりっぱなしで700万円のギャラをもらっていたという景気のいい時代を経験している。それだけに今のお笑いの2、3分のネタについては疑問を持っているという。それでも、お笑い志望の若者は年々増加の一途をたどっている。
洋七は、「テレビのバラエティ番組なんかでお笑いを見てると、自分でも簡単にできると思ってしまう。お笑いはそんな甘いもんじゃない」と釘を刺す。
12月24日にⅯ-1決勝が放送される。息の長い新たなお笑いスターが誕生するか注目したい。
(本多圭/芸能ジャーナリスト)