仲野太賀のNHK大河「豊臣兄弟!」主演が示す「2世俳優=親の七光り」時代の終焉
「同期が主役を父親に持つ(松方)弘樹は子役時代から別格扱い。常に取り巻きがいて最初から個室。俺はその他大勢の大部屋。それが映画界のしきたり。羨ましいとも思わなかった。悪役の親父の七光など通用するはずもない。自力で這い上がった」
父親が俳優であっても2世俳優に共通しているのは確実に遺伝子を受け継いでいること。現在、活躍を続けている2世俳優を見てもそうそうたる顔ぶれが揃う。今も映画、ドラマに欠かせない存在。
重厚な演技で見る人をうならせる北大路欣也を頂点に、幅広い役をこなす中井貴一。「最近、父親(三国連太郎)と遜色ない存在感を出している」(映画関係者)と引っ張りだこの人気になった佐藤浩市。高嶋政宏・政伸、柄本佑と時生の2世兄弟俳優も活躍中。千葉真一の息子・新田真剣佑・真栄田郷敦兄弟も頭角を現してきた。
女優に目を向ければ歌舞伎役者を父に持つ寺島しのぶ、松たか子。奥田瑛二の次女・安藤サクラもすでに実力派女優と認知されている。3月で終わった朝ドラ「ブギウギ」のヒロインを好演した趣里の両親は水谷豊と伊藤蘭。これまで2世俳優を一様に「親の七光」と時には揶揄した時代は終わりを告げている。