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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

夫婦殺害事件で元エリート子役が逮捕されたが…元子役なくして連ドラは成り立たない

公開日: 更新日:

 江口のりこ主演「ソロ活女子のススメ4」(テレビ東京系)を見ていたら上野の角打ちの店主役で杉田かおる(59)が出てきた。一時期、猛女キャラでバラエティーなどに出まくっていたが、その後は農業に力を入れ、九州に移住するなどで見かけることも少なくなった。そんな杉田、猛女とはほど遠いおだやかな顔つきになり、あまりにも役に馴染んでいたので、一瞬誰だかわからなかったほど。さすが子役からキャリアを積んできた俳優は違うと感心したら……。その1週間後のこと、栃木県の山林で夫婦の遺体が発見された事件で、実行犯として逮捕された若山耀人容疑者(20)が元子役であることがわかった。

■「燃え尽き症候群」になりやすい?

 第一報を聞いた時は、よくある自称俳優とやらか、と思ったが、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で主人公の幼少期を演じていたエリート子役とわかり仰天!

 2018年までドラマや映画に出演し、21年までは出身地・美濃加茂市の観光大使を務めていたそうだ。わずか3年での転落。まだ20歳。いったい彼に何があったのか。

 同じ元子役の事件として、「子連れ狼」の大五郎・西川和孝(56)の事件を持ち出すメディアもあり、「子どもの頃からちやほやされ、燃え尽き症候群になりやすいのでは」という解説もあった。かれこれ20年以上も前の事件だが、可愛かった大五郎が強盗殺人・死体遺棄の犯人だとわかった時の世間の震撼ぶりは若山の比ではなかった。

 西川と若山は元子役だが、だからといって元子役はロクなもんじゃないというのは違う。杉田も7歳で「パパと呼ばないで」のチー坊役に選ばれ、一躍、国民的人気者になった。そこから「金八先生」では15歳の母になり、「池中玄太80キロ」では劇中歌「鳥の詩」を歌ってヒットさせた。そこから猛女時期を経て今日に至る。

 坂上忍もしかり。天才子役ともてはやされ、いろいろあってバラエティーでは「ブス嫌い」「潔癖症キャラ」でブレーク、「バイキング」でフジテレビのお昼の顔となった。そして現在は動物保護の活動を続け、「坂上どうぶつ王国」などで発信。彼もまた好きなことをしているからか、いい顔つきになった。

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