ローラが耳障りなほど商品名を連呼…視聴者も《意味不明》と首捻るCMの効果と予算事情
まさにカオスといった感じだが、高堀氏は「商品名や企業名の連呼は耳障りですが、視聴者側に愛着を抱かせる効果が期待できます。「ザイオンス効果」と言い、商品名や企業名を聞かせるほど好感度、親しみはアップするとされています」と説明する。選挙カーが候補者の名前を連呼するのも同じ理由だという。
併せて高堀氏は、この効果を狙ったCMは「古くからある」と指摘する。一例として、かつて存在していたアパレル企業「レナウン」の「ワンサカ娘」において企業名を連呼するシーンがあり、様々なバージョンを通じて「1961年から1990年代まで使われました」。
■近場のロケやスタジオ撮影でお手軽に作るCMが増えたワケ
また高堀氏は「1960年代から70年代のお菓子のCMにも連呼型は多かったです」と説明。現存する商品としては「明治」の「マーブルチョコレート」のCMで商品名の連呼が見られた。
最後に高堀氏は、近年のテレビCMの制作費の事情について、その裏側を語る。
「広告費削減の影響で、海外や国内景勝地でのロケをせず、近場のロケやスタジオ撮影でお手軽に作るCMが増えました。こういったCMは映像や気の利いたコピーで商品や企業名をアピールすることができませんから、連呼に頼るのでしょう。広告費削減時代に合ったCMといえます」