目を見張る市川團十郎の13役“ワンマンショー” 「星合世十三團」に客席どよめく

公開日: 更新日:

 順番が逆になったが、昼の部は、市川團十郎が『義経千本桜』の主要13役を早替わりで演じる『星合世十三團』。今月は昼・夜とも大長編の圧縮版だ。そう言えばコロナ禍後は『仮名手本忠臣蔵』も通し上演がない。興行として難しいとの判断なのか。

 團十郎が演じる13役のなかでも中心になるのは、渡海屋・大物浦では知盛、鮨屋では團十郎のワンマンショー的なものだが、いがみの権太、川連法眼館の狐忠信。

 かなり割愛しているが、物語は分かるようになっているし、團十郎の早替わりは、客席にどよめきを生む。なにしろ、たとえば、鮨屋の場では、権太と、父・弥左衛門と、弥助・維盛の三役を早替わりで演じていくのだ。

 宙乗りもあれば、満天の星や桜の花を過剰なまでに見せ、最後は映像でそれまでの13役を見せてくれるなど、あらゆる方法で目に訴える。

 昼の部は松也や右近たちが出ていれば、もっと面白くなったのではないだろうか。

 コロナ禍後は、歌舞伎座の座組も一門の壁を越えて、適材適所の配役が見られるようになっているなか、團十郎だけが、その流れに加わっていないのが残念だ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情