テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人。テレビ朝日で社会部記者を経て、報道・情報系を中心に番組ディレクター、プロデューサーを務め、ABEMAの立ち上げに参画。2019年8月に独立。近著に『アクセス、登録が劇的に増える！「動画制作」プロの仕掛け52』（日本実業出版社）『腐ったテレビに誰がした？ 「中の人」による検証と考察』（光文社）
私の好きな番組に限って終わってしまいます。人気番組なのに終了するのはなぜ？
たしかに最近いろんな人気番組が終わってますよね。でも「私の好きな番組」とおっしゃいますが、本当に見てました？ ホントはそんなに見てなかったのではないですか？ 視聴者は飽きっぽいものなので、どんな人気番組でも長いことやっているうちに、ほぼ間違いなく視聴率はだんだん落ちてきます。いくらテコ入れしても右肩下がりが止まらない。だから「ファンの多い人気番組だけど、視聴率が悪い」という不思議な状況が生まれがちなんです。
「人気店の閉店」に似てるかもしれません。よく「有名な飲食店が閉店する」というニュースがあると、「好きだったのに」「よく行ったのに残念」という人がたくさん現れて、閉店当日は大行列になりますよね。でも実際にはその人たちが日頃から本当にその店にチョイチョイ行っていれば閉店することはなかったのに…という感じです。
中には視聴率がそんなに悪くなかったのに終了する番組もありますが、その理由もお店にたとえると分かりやすいかも。人気店なのに閉店するのは、「店主が高齢になるなどして続けられない」か、「食材が高騰したり、入手困難になった」かではないでしょうか。番組もそんな感じで、出演者が「もう出たくない」と言い始めたか、「面白いネタがもう切れてきた」ということになると、視聴率が良くても終わってしまいます。
