中野サンプラザ、TOC、北とぴあ…都内で建て替え計画が相次ぎ頓挫する理由

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 1973年に竣工した「中野サンプラザ」(東京都中野区)の建て替え計画が頓挫している。野村不動産を代表とする施行予定者が事業変更案を提出していたが、3月11日に区が認めない旨を発表。計画は白紙化した。

 野村側はコンペを経て、2021年1月に施行予定者に決定。24年7月には再開発事業の施行認可申請を行った。しかし10月には申請を取り下げており、変更案の提出を求められていた。当初、野村は事務所及び住宅、ホールからなる地上62階建て262メートルの複合ビルを提案していた。区は縮小した事業変更案が不服だったとみられる。

 背景には事業費の高騰がある。当初案の工事費は1810億円だったが、24年1月時点で2639億円まで膨らんだ。その後、野村は施行認可申請を行ったものの、工事費がさらに900億円増えるとして24年10月の申請取り下げに至った。900億円を加算すれば、工事費は当初の約2倍になる。

「資材費や人件費が上昇して工事費の高騰が続いている。野村はさらなるコスト増加に保留床処分金が見合わないと判断して、申請を取り消したとみられる」(ディベロッパー関係者)

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