著者のコラム一覧
本橋信宏作家

1956年、埼玉県所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法による庶民史をライフワークとしている。バブル焼け跡派と自称。執筆はノンフィクション・小説・エッセー・評論まで幅広い。“東京の異界シリーズ”第5弾「高田馬場アンダーグラウンド」(駒草出版)発売中。「全裸監督 村西とおる伝」(新潮文庫)が、山田孝之主演でNetflixから世界190カ国同時配信決定。

堀江しのぶ初仕事は平凡パンチ 水着で売る意識はなかった

公開日: 更新日:

 野田義治は堀江しのぶの認知度を高めようと、積極的にグラビアの営業に打って出た。知り合いの編集者はもとより飛び込みで新規の編集部にも顔を出した。

 野田義治は雑誌に対して偏愛的な感情を持っている。暇になるとパラパラと雑誌をめくる、野田のマガジン好きは根っからのものだ。

 堀江しのぶが高校を卒業するころ、ビッグチャンスが訪れた。「DELUXEマガジン」の巻頭グラビアに登場することが決定したのだ。発売は1984年2月。

 この時代、アイドルが大量にデビュー、早見優松本伊代堀ちえみ小泉今日子三田寛子中森明菜、石川秀美らが、「花の82年組」としてテレビや雑誌で活躍していた。

 遅れて飛び込んだ堀江しのぶにとって、「DELUXEマガジン」のグラビアは勝負の場だった。

 野田も勝負に出た。堀江しのぶの胸の大きさが強調されるビキニをあえて選んだ。

 ところが18歳の新人は意外な反応を示した。

「これ、着たくない」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド