著者のコラム一覧
本橋信宏作家

1956年、埼玉県所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法による庶民史をライフワークとしている。バブル焼け跡派と自称。執筆はノンフィクション・小説・エッセー・評論まで幅広い。“東京の異界シリーズ”第5弾「高田馬場アンダーグラウンド」(駒草出版)発売中。「全裸監督 村西とおる伝」(新潮文庫)が、山田孝之主演でNetflixから世界190カ国同時配信決定。

堀江しのぶ初仕事は平凡パンチ 水着で売る意識はなかった

公開日: 更新日:

「(黒沢)監督はロケのとき、あの電柱が邪魔だ、あの家が邪魔だとか助監督に言って、どかしてしまうっていう噂がありますけど、それって本当なんですか?」

 記者も映画評論家もけっして尋ねたことのない禁断の質問を野田義治が切り出した。

 野田砲の炸裂だ。

 部屋の空気が凍り付いた。

 すると世界のクロサワが口を開いた。

「“あの家が邪魔だからどかせ”とかそんな言い方はしてないんだよ。ぼそっと“邪魔だよね”って言ったかもしれないけど」

 野田が証言する。

「スタッフが気を使って、先回りして電柱や家をどかしたんじゃないかと思うんですよね。黒沢監督は“あの家が邪魔だからどかせ”なんてそんな強気なこと言う人じゃないですよ。周りが忖度したんですよ」

 黒沢明の自宅には、あのコッポラやスピルバーグが訪れた。偉大な両監督には通訳がつき、野田義治がエンターテインメントの世界で仕事をしているのを知ると、「英語がしゃべれないとは何事だ」と叱咤した。現在、野田は身ぶり手ぶりでなんとか仕事をこなす程度の英会話は身につけたのだが。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に