普通の人の10倍 睡眠時無呼吸症候群が招く“緑内障リスク”
「意外な結果でした。緑内障は眼圧の上昇による視神経のダメージで発症するといわれながら、正常眼圧の緑内障は全体の7割を超えています。その理由は謎です。これまでの研究から脳脊髄圧低下、眼血流減少などが原因といわれてきましたが、今回の結果から緑内障の発症の原因のひとつに酸素不足が関係する可能性が浮上したのです」(北海道大学大学院医学部眼科教室の新明康弘助教)
ならば、SASの治療法として一般的なCPAP(鼻に装着したマスクから空気を送り込み気道を広げて無呼吸を予防する)治療法は有効なのだろうか?
「低酸素状態の改善には良いのですが、眼圧を上げる可能性もあるので、CPAP治療をしている人でも緑内障への注意が必要です」(新明助教)
いずれにせよ、SASが緑内障の発症リスクを高めることは世界中で報告されている。視力を失いたくなければ、SASと診断された人は必ず眼科で緑内障の検査を受けることだ。