急増中! 大人の「食物アレルギー」を甘く見てはいけない
食物アレルギーというと、子供の頃に発症するものだと思われがちだが、近年、大人になってから食物アレルギーになる人が増えているという。成人アレルギー研究の第一人者である国立病院機構相模原病院の福冨友馬医師(診断・治療薬開発研究室長)に詳しい話を聞いた。
なぜ、成人の食物アレルギーが増えているのか。福冨医師は「アレルギーは文明病」だと指摘する。
「農村などで伝統的な生活をしていると、家畜の菌や毒素が常に身近にいるものですが、都市部では抗菌志向が強くなり、菌に接する機会が減少します。そのため、アレルギーを発症しやすくなるのです。これを『衛生仮説』といいます。最近では食べ物やシャンプーにも防腐剤が含まれているので、それが体内に残留して抗生物質を飲み続けているような状態が続くため、腸内の常在菌叢のバランスが崩れ、アレルギーを発症しやすくなっている可能性が指摘されています」
高脂肪食、肥満、ビタミンD不足も、発症に関係しているという。現代的な生活習慣の変化が複雑に絡み合って、成人アレルギーを増やしているのだ。