命を落とすケースも 「ランナー頭痛」を侮ってはいけない
コーヒーにはカフェインが含まれていて、脳の血管に作用して頭痛を感じにくくする。カフェインの作用が切れてくると再び頭痛を感じるが、コーヒーを飲むと治まる。これを繰り返していると、自分の体内の“天然の痛み止め成分”が出にくくなる。頭痛薬も同様で、頻繁に使っていると、天然の痛み止めの分泌が抑制される。
「走っている間のカフェイン切れ、頭痛薬切れによる頭痛です。2週間ほどコーヒーや頭痛薬を断つのが対処法になります」
ちなみに、米国などでは「カフェインを積極的に取るとタイムが良くなる」と信じている人がいる。奥井院長によれば、「それがかえって頭痛の原因になっている」という。
良性の頭痛では、肩こりが関係しているものもある。肩こりは後頭部から側頭部の血流が悪いことで生じる。
走るフォームが良くないと、後頭部から側頭部のもともと悪い血流が、より悪くなり、脳の血管がけいれんして頭痛につながる。
「肩の力を抜き、正しいフォームで走ると頭痛が改善されます。さらには、肩こりに効果がある漢方薬『釣藤散』をお勧めします。日頃の肩こりから治していきましょう」
奥井院長も、頭痛と良い関係を築きながら、ランナー生活を満喫している。