(119)東海道の話を聞かせてくれないか
ポタリ、湯気が湯屋の天井から月代に。「冷てえな」と熊公、隣の八っあんは湯舟に手足を伸ばす。寛政の改革で混浴禁止、広々とした男湯に会話がこだまする。
「写楽の役者絵、みたか?」
「あまりぞっとしねえな」
「市川鰕蔵なんぞ力み返って息がつまりそうだ」
「役者…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,319文字/全文1,459文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】