自民「政策活動費」廃止は“やってる感”のエセ政治改革 裏金の“入り口”「企業・団体献金」には手をつけず
「自民 政策活動費廃止へ」──。メディアが一斉にこう報じた。政党から政治家個人に支出され、使途公開義務のない「政策活動費」について、自民党の政治改革本部が19日、「廃止」を打ち出す方針を確認。政治資金規正法再改正の自民案として、21日の全体会合で決定した。
使途を明かさなくていい政策活動費は政治家への“掴み金”であり、事実上の「裏金」だと批判されてきた。
19日に外交日程を終えた石破首相もブラジルで行った記者会見で、政策活動費の廃止について「国民の信頼確保に資するよう早急に結論を得る」と強調していたが、廃止は当然とはいえ、「おっ、自民党も衆院選惨敗で少数与党になったから心を入れ替えたか」と思ったら大間違いだ。
自民案では「政策活動費を法律上廃止し、党の支出の透明化を進める」とする一方で、「外交上の秘密やプライバシーなど公表に配慮が必要な支出は、第三者による監査を行う」としている。法律上廃止する政策活動費とは別に、非公表の支出も温存するのだ。政治資金を監視する第三者機関の設置も議論されているが、それで裏金がつくれなくなるのかどうか。