「日本沈没」(上・下)小松左京著

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「日本沈没」(上・下)小松左京著

 鳥島の南東、小笠原の北に位置する無人島が一夜にして消えた。深海潜水艇の操艇責任者の小野寺は、地球物理学者の田所博士、海洋地質学者の幸長助教授と共に海底調査に出る。そこで小野寺らは海底に西から東へ何条もの波状跡を発見。さらに水面下8000メートルの海底で深部散乱層が、その皮膚を振動させているのを目にする。

 調査から戻ってしばらくした頃、小野寺は上司の吉村に連れていかれた伊豆で、見合い相手の玲子に会う。ところがその夜、伊豆天城山が噴火。その8分後には、伊豆大島の三原山も噴火。地震と津波は相模湾沿岸一帯を襲い、火山灰は湘南地方一帯に降り注いだ。相次ぐ地震の報を受け、内閣では閣僚と学者の懇親会を開催。そこで田所は「日本がなくなってしまう」可能性を口にし、周囲の失笑を買う──。

 197×年を舞台に、地殻変動によって日本が滅亡していくさまを描いた空前のベストセラー。

(KADOKAWA 上・下各660円)

【連載】古今災害小説7選

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