大腸がんは“右側”が危ない 世界中の研究者・専門医が注目
それによると、全生存期間中央値が左では33・3カ月に対して右が19・4カ月と大きな差が見られた。さらに、右はベバシツマブ、左はセツキシマブを使った場合、生存期間延長が確認された。
その後、欧州や日本でも同様の報告があり、今月26日から東京で開かれる「大腸癌研究会」の学術集会でも大腸がんの左右差は大きなテーマとして取り上げられる予定だ。
■使う薬や手術法も変わる?
すでに左の大腸がんにはp53遺伝子変異が多く見られ、同じステージ4の末期がんであっても右の方が進行が速く、がん特異的死亡率が高いことがわかっている。
「大腸がんは大腸粘膜の細胞から発生し、2つの発がん経路があると考えられています。ひとつは良性ポリープ(腺腫)が発がん刺激を受けてがんになる経路です。もうひとつは正常粘膜が発がん刺激を受けて直接がん化するタイプです。これを『デノボがん』といいます」
前者は、がん化を防ぐAPC遺伝子の変異により腺腫が生まれ、がんを発生させるKRAS遺伝子やがんを抑制するp53遺伝子などの変異が加わってがん化すると考えられている。デノボがんの遺伝子異常の詳細はわかっていない。