乗り物には一切乗れず…比企理恵さんがパニック障害を語る
その頃には、小さなことが気になって常にドキドキしていました。たとえば「この紙コップは誰が作ったの? 誰? 今すぐ教えて、苦しい!」ってパニックになるという具合。動悸がひどいと「ああ死んじゃう、助けて」となる一方で、うつになって「死にたい」と思ったりするんです。頼れるのは薬だけなので、「ちょっとだけ」と思いながら勝手に量を増やしていました。
■ヒーリング音楽を手掛ける先生との出会いが回復につながる
そんなとき、知人の紹介でお会いしたのが漢方と気功の先生でした。その先生は私の顔を見るなり「あなた、大量に薬飲んでるでしょう。今すぐ全部やめなさい!」と言ったのです。
言われたままに薬をやめてみると、気のせいかいつもより眠れたような気がしました。だからといって、すぐに全部が良くなったわけではありませんが、それが回復の第一歩になりました。
そして、長く続いた公演も終盤になった頃、共演者の方に、今は亡き音楽家の宮下富実夫先生を紹介していただいたことが、大きな回復につながりました。