境界型で明暗 初診患者は基準値超えでもすぐに投薬せず
境界型の人は、「まだ糖尿病でないから、生活改善はしなくてもいい」と軽く考えがちですが、生活改善にしっかりと取り組んだ人は、そうでない人に比べて、2型糖尿病の発症を最大7割予防できるという報告があるのです。
そんな研究結果を受けて、初診患者さんが「境界型」なら、「様子を見ましょう」と伝えます。血糖値の推移が分からないため、今が治療の適切なタイミングか判断できず、ひとまず生活改善の大切さを説明し、血糖値がどの程度、改善するかチェックするのです。
ただし、65歳以上の高齢者は、血糖値のほかにも脂質や血圧、体重といった注意すべき項目が多いのが一般的。
生活習慣の改善がベターでも、私自身の経験からも、実現するのはなかなか難しいでしょう。
若い方も含めて初診から何度かの治療で様子を見たら、薬物治療に切り替えます。読者の方は、「糖尿病は血糖値が上がる病気」と思っているかもしれませんが、それは間違いで、ある一定の幅を超えて上がったり、下がったりする病気が正解です。そうすると、薬を飲むと、血糖値が下がり過ぎて低血糖を起こしかねません。