中川恵一
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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

池江璃花子の短髪が話題 男性も考えたい女性のがんの悩み

公開日: 更新日:

 勇気づけられた方も多いでしょう。競泳池江璃花子さん(19)が自らの写真共有アプリ「インスタグラム」で短髪姿を披露し、話題を呼んでいます。私もネットで拝見して、すてきだと思いました。

 昨年2月に白血病が判明。抗がん剤の影響で髪が抜けたものの、今では少しずつ髪が伸び、普段は部分つけ毛のウィッグをつけているそうです。「今のありのままの自分を見てもらいたい」との気持ちから写真の公開に踏み切ったといいます。19歳でこの前向きさはすごいと思いますが、気持ちの整理がなかなかつかず、苦しむ女性は珍しくありません。

 そこで今回は女性のがん患者が感じるつらさについて考えます。女性にとって大きな問題のひとつが、脱毛です。抗がん剤の影響によって髪が抜けやすくなると、入浴して頭を洗うと抜け毛が数多く指に絡まったり、ドライヤーで乾かしたときに舞ったりします。髪は女の命といわれるだけに、ショックでしょう。

 抗がん剤は、がんの原因になるようなDNAの複製や細胞分裂を抑える働きがあり、毛根や骨髄など細胞分裂が盛んな正常組織にも作用。副作用として脱毛や白血球の減少が生じやすいのはそのためです。

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