新型コロナ<前編>苦しくて人工呼吸器のチューブを噛みちぎり前歯を失った
「自宅の部屋に1人でこもりました。両親は高齢ですし、父親はがんの手術を受けるために4月1日から入院する予定だったので、絶対に感染させるわけにはいきません。幸い、自分の部屋は2階にあり、両親は1階で暮らしていたので、しっかり自主隔離できました。後に濃厚接触者として妻と子供が受けたPCR検査も全員が陰性でした」
その後、39度を超える熱が2日続いたが、新型コロナの典型的な症状といわれる咳や息苦しさの症状はなく、味覚も嗅覚も正常だったため、インフルエンザを疑ったという。
かかりつけの内科を受診して検査を受けたが、インフルエンザは陰性だった。
しかし、一向に熱は下がらず40度を超えた。最初の発熱から5日後の4月2日、中田さんは「本当にコロナかもしれない」と考え、かかりつけ医院に相談。コロナ疑いとして総合病院を紹介され、PCR、CT、レントゲンなどの検査を受け、そのまま入院することになった。
「総合病院で受けたCTやレントゲン検査では、肺には影もなくきれいで問題なしとのことでした。コロナの可能性は低いと思うが、高熱があるし念のため隔離入院しましょう、という感じだったんです。しかし、解熱剤を使っても熱が下がらず、入院3日目の4月4日からは意識がもうろうとしてほとんど記憶がありません」