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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

堀ちえみさんが歌声披露 発声と食事は術後リハビリで守る

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■ら行が難しくなる

 舌亜全摘手術後、1週間は鼻から管を通して流動食で栄養を取ります。嚥下訓練はそれからで、口から十分な栄養を取れるようになるまで1~2カ月かかることも珍しくありません。

 咀嚼には、歯のほかに舌の働きが不可欠。舌が食べ物を支えたり、奥歯の方へ送ったりすることが重要なのです。総入れ歯の方で、豆腐など軟らかいものだと、入れ歯をはずしてむしゃむしゃすることがあるのは、咀嚼において、舌の重要性を裏づけています。

 そのため舌亜全摘手術後は、歯があっても十分な咀嚼ができにくい。食材を細かく刻んだり、圧力鍋で軟らかく煮込んだり。軟らかいものしか食べられなくなることもあります。

 堀さんは「『リ・ボ・ン』のタイトルだけでも言いづらい」と語っていました。「ら・り・る・れ・ろ」は舌の先端を上あごにぶつけて発声するため、舌の半分以上がないと、術前のような動きに戻すのは難しい。口の中の別の部分に舌を当て、“らしい音”を新しくつくったり、上あごの装具を使ったトレーニングをしたりします。

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