持病が3つ以上で5倍…欧米データから見た重症化しやすい人
さて、当初からどのような人が重症化するのか、そのリスクについて世界中で研究されてきた。たとえば中国や米国での研究により、高血圧症、糖尿病、肥満、心血管病、腎臓病などが危険因子として報告されてきた。米国疾病対策センター(CDC)の報告では最大の危険因子は年齢で、18~29歳の若い人に比べ、65歳以上では5倍以上の入院率、90倍以上の死亡率であった。
持病によるリスクで見ると、死亡率が高くなるのは高血圧症、肥満、糖尿病で3倍、腎臓病で4倍、3つ以上の病気があると5倍といわれている。個々の病気などでのリスクは次のようにいわれている。
●脳血管疾患:重症化リスク1・8倍、死亡リスク2・4倍
●高血圧症:重症化リスク2倍、死亡リスク2・2倍
●肝疾患:肝硬変の重症度に伴い死亡リスク増加(最大28倍)
●妊娠:1・7倍、人工呼吸器が必要になる
●喫煙:重症化リスク1・9倍
しかし、これらは先に述べた通り、海外でのデータによるものである。新型コロナの発生源に近い日本では10月4日現在、8・5万を超える感染者が出ているにもかかわらず、なぜか独自のデータに基づく重症化リスクの大規模な分析結果は国民に伝えられてこなかった。