日本がワクチン開発に予算をかけないのはどうしてなのか
【Q】日本がワクチン開発に予算をかけないのはなぜか
【A】「日本政府は国内で流行が始まった1年前、当初の20年度補正予算で、国産ワクチン開発支援に100億円を計上しました。一方で、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)など国際団体には、その2倍以上の金額を拠出しています。この時点で日本政府は、国産ワクチンの重要性を認識せず、輸入すればよいと思っていたのでしょう。第2次補正予算でようやく厚労省の日本医療研究開発機構(AMED)がワクチン開発支援に478億円を付けて、21年1月の第3次補正予算で国内企業が大規模な臨床試験を行う際の費用を補助するために約1200億円を計上しましたが、間に合わないでしょう」
完全に認識が甘かったのだ。その結果、ファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社のワクチン調達費用に6714億円を拠出することになった。しかも、新型コロナウイルスのワクチンを使って健康被害が出た場合の損害賠償は、自国で賄うことになっている。
【Q】政府がワクチンに後ろ向きになっている背景には国民が慎重な姿勢を示していることも大きいとされる。その原因は?