今冬のインフルエンザ大流行を懸念する声が…医師が解説
それがなぜ、いまインフルエンザの脅威が語られるのか? その理由のひとつにウイルス干渉がある。昨年は新型コロナウイルスの活動が活発でインフルエンザウイルスの動きを抑えつけていたが、ワクチン接種で新型コロナの動きが抑えつけられれば、インフルエンザウイルスが暴れ出すのではないか、というのだ。
「あるウイルスが流行すると他のウイルスが流行しないことを『ウイルス干渉』と言います。あるウイルスが先に感染すると宿主に吸着するためのレセプター(受容体)が独占されたり、感染による免疫応答などにより他のウイルスは感染しづらくなるからです。例えば風邪の原因であるライノウイルスは年中流行しますが、インフルエンザウイルスが流行する冬は感染者が減ることが知られています」(林院長)
■ヒトの免疫が弱体化している可能性
また、世界中で行われているマスク、手洗い、ソーシャルディスタンスなどの新型コロナ対策はインフルエンザの感染拡大防止にも役立ってきた。ところが、ワクチン接種で安心した人が旅行したり、大声でしゃべったり、マスクなしで自由に行動したりすると、新型コロナは抑えられてもインフルエンザ感染は広がる可能性がある。