水原一平氏も陥ったギャンブル依存症は、根源に「1次感情不全」あり…精神科医が指摘
「こういった状態が進むと、ある段階から自力脱出が困難な脳の病的状態に陥ります。優先順位が狂い、大損しているのにやめられず、最終的には失職、離婚、友人を失う、借金、中には横領などの犯罪に手を染めるなど社会的に追い込まれる。その2割弱が自殺に至るとも報告されます」
ギャンブル依存症患者は、もともと本性を偽って生きてきたことで口先だけの謝罪や嘘のうまい人も多く、アルコール依存のように「外から見て、なんだかおかしい」といった部分が見えづらい分、露見しづらい。もし、身近にギャンブル依存症にまで陥った人がいる場合、ただきつく正論をかざして説教するだけでは逆効果だ。傷つきやすい性格もあり、かえって回避が強まり隠れての依存が悪化しかねない。
借金の尻拭いも良くない。本人が「このままではだめだ」と限界を悟り自らの負の感情に向き合う機会を先送りするだけで、依存症を助長する共依存となるからだ。
「私は、患者さんとそれを支える家族などにはギャンブル依存症治療をうたう医療機関の受診と、同時に自助グループへの参加を強く勧めています。その理由は自己流で対処するにはあまりに危険な病気だからです」