相性が合う医師を求め…精神科医は5回代えても代えすぎではない
精神科の通院患者数が近年増えている。しかし、「なかなか名医に出会えない」といった声も少なくない。
「現在の精神医療は、膨れ上がる患者のニーズにもはや応えられる構造にはないのです」
こう話すのは、名医に巡り合えない理由を書き記した「精神科医に、ご用心!」の著者で現役精神科医の西城有朋氏。
この10年で、精神科は医師増加数の多い科としてトップ5に入っており、厚生労働省は「増員不要な科」と名指しで吊し上げている。しかし、現実には精神科の予約がなかなか取れないということも珍しくはない。
「厚生労働省の需給の見通しは完全に見誤っています。精神科医の増え方は、せいぜい1.2倍と微増。それに対して精神科外来患者数の増えるペースは倍増と、はるかに速い」(西城氏=以下同)
医師の都市部偏在は社会問題だが、地方では精神科医を見つけるのが困難という地域もあり、数不足は歴然と存在する。それ以上に追いつけていないのは、「質」だ。