朝起きられず遅刻を繰り返す…長期休み明けは「睡眠相後退症候群」に注意
さらに5時間睡眠という睡眠不足により日中の強い眠気と、自律神経のバランスが崩れることで、頭痛、めまい、下痢、吐き気といった症状を引き起こすだけでなく、脳の前頭葉の働きが低下してイライラしたり、意欲や集中力が低下し、抑うつ状態になりやすい。
近年は塾に通っている学生も多く、これもDSPSを引き起こす一因になっているという。
「午後10時まで塾で勉強してから帰宅して食事や入浴を済ませたら午前0時を過ぎるので、必然的に就寝時間が遅れやすい。登校のため早起きしている平日の寝不足を補おうと週末に寝だめすると、寝付いた時間と起きた時間の中間時点が通常よりも後ろにずれます。平日に比べてこの中間時点が2時間以上遅れると体内時計は遅い方へ合わせるようになるので注意が必要です」
■睡眠日誌で眠りを可視化する
都内の私立高校に通う16歳の男性は真面目な性格で、テスト期間中は毎日午前3時まで勉強に励んでいた。その生活に慣れたせいもあり、テスト期間が終わっても深夜まで勉強に取り組むように。次第に朝起きられず遅刻が目立つようになり自己嫌悪に陥って睡眠クリニックを受診し、DSPSと診断された。