寝起きの頭痛が続いたら…「脳腫瘍」のサインかもしれない 年間2万人が発症
腫瘍が大きくなると脳内の圧力が高くなり、四六時中、治まらない激しい頭痛や吐き気のほか、めまい、ろれつが回らない、手足が思うように動かないといった脳梗塞のような症状が現れる。
ある40代の男性は、半年前から頭痛の症状を自覚していたものの、仕事が多忙で疲れがたまり、酒とたばこの量が増えたのが原因だろうと放置していた。1カ月前から慢性的な激しい頭痛に加え、左手のしびれがひどくなったことからやっと病院を受診。MRI検査の画像を見ると、白い影が右側の脳の半分を占め、大病院で詳しく検査を行うと原発性の悪性腫瘍と判明した。腫瘍を取り除く手術を受け、抗がん剤治療も行ったが、すでに手遅れの状態で、頭痛やしびれの症状は改善しないだけでなく、余命半年と宣告された。
■早い段階で手術すれば改善できる
「脳腫瘍が悪性だった場合、進行が非常に速く発症から半年~1年以内に亡くなる人も少なくありません。ただ良性であっても、命をつかさどる脳の奥にある脳幹が圧迫される頭蓋底腫瘍の場合、放っておくと呼吸状態が悪くなり、命を落とすリスクが高い。風邪薬や痛み止めを飲んで3日たっても痛みが改善しないようであれば脳に何かしらの異常があるサインと考えられます」