幻視、幻覚、被害妄想があった母を遠距離からどう支援したのか
すると、母は「おまえがおらん言うんやったら、おらんのよね。もうええわい」と話すのをやめました。
母によると、それからも“黒い人”はよく来るらしいのですが、悪さはしないことを納得できたので、母には放っておく余裕が生まれました。しかし、私は実家に帰省して泊まるのが怖くなりました。
母には黒い小人が見えていました。40センチほどの黒い小人が布団の足元に入ってくるらしいのです。しかし、悪いことはしないといいます。また、時々エアコンの送風口から火が噴き出すのが見えたそうです。親戚からの報告では、2回も消防車を呼んで大騒ぎになったとのことでした。
そのうちに、母は食事をしなくなり、どんどん痩せていきました。体重は30キロを切って、首が下がって頭部を挙上できない状態になってしまいました。ただ、介助なく1人暮らしができるため、母は独居を希望しました。
私が帰省した際、連れ出して一緒に食事をすると、私以上の量を「おいしい」と、うれしそうに食べました。普段は食事するのを忘れるのか、準備が面倒なのかはわかりませんが、食べないようでした。それでも、お腹がすいて困ることはなく、母は「ちゃんと、食べてるよ」と言います。そして、知人を自宅に呼んだときは、気前よくごちそうするのを好みました。