記録的猛暑で新潟産「コシヒカリ」凋落の衝撃…ブランド米の評価は“西高東低”に
コメどころのブランド米が凋落する一方で、東海から関西、西日本の品種が高評価を獲得している。
■高評価を得るも収穫不足
「Aから特Aに格上げされた12品種のうち8品種が西日本のもので、近年、コメの出来は“西高東低”といわれています。ただ、高評価を得ている高温耐性の品種も、品質が良くてもいかんせん作況指数ほど収穫量が多くなかったため、市場にあまり出回っていないのが現実です。それは9~10月の登熟期間が猛暑で短かったため、実がじゅうぶん膨らみ切らなかった影響が考えられます。食味ランキングの評価は、コメの出来についてで、収穫量に関しては考慮されていません」(常本氏)
需要低迷でここ数年安値で推移していたコメの価格は、収穫量の減少で反発しているとのこと。
「昨年初めに東京都が低所得の約160万世帯に配布した『おこめクーポン』の影響で相場が上昇する中、インフレでさらに上がってきています。大手卸売りによると、毎年77万トンほど輸入される外国産米を含めても、需要に対して5万トンほど足りないといいます。また、くず米などの安価米の収穫量も前年比でおよそ半分程度と低調です。そのため、大手外食チェーン向けなどの業務用は輸入米にシフトしていくでしょう」(常本氏)
気候変動が日本の主食に大きな変化をもたらしている。