飲食業界は人件費削減に必死…時短と休みが多く思ったほど稼げない
「それに加えて予定外の休みもあるんです」と最上氏は苦笑する。
有名店のため客のほとんどが予約客。ときには予約ゼロの日もあり、その場合、店は休業する。当然ながら給料は支払われない。客が極端に少ない日に人件費削減のため「休んでください」と頼まれることもある。結果、少ない月は報酬が15万円以下となる。
「面接で『暇な日は早めに帰れますよ』と言われましたが、僕は気に留めていなかった。あのときちゃんと話を聞いておくべきでした」
■ハローワークがダメでも…
一方、ハローワークの紹介ではダメだったのに、偶然、採用にこぎつけた人物がいる。
元木氏(仮名=63)は都内のデザイン会社で広告デザインを手がけてきた。今年3月に退社し、東北の実家にUターン。すぐにハローワークで職探しを始めた。A社という大手印刷会社があり、デザイナーと広告営業マンを募集中。ハローワークの担当者は元木氏の目の前でA社に電話してくれた。
「結果はNGでした」と元木氏。A社の採用条件は「60歳以下」。ハローワークの担当者は「年齢が合わないので採用できないそうです」と気の毒そうに言った。