「2024年問題」直撃で深刻なバス運転手不足…合同採用説明会で行われていた“争奪戦”の熾烈
深刻な人手不足に悩むバス業界。「2024年問題」の影響でバス会社は減便などを迫られ、事業の継続が困難になった大阪府の「金剛バス」は路線バスを廃止した。業界は運転手を確保しようと必死になり、採用説明会が毎週のように開かれている。6月に都内某所で開かれた合同採用説明会に、日刊ゲンダイ記者が潜入した。
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会場に入ると、100坪ほどのホールに30社以上のブースが、所狭しと並んでいた。どちらかといえば若者が少なく、中高年の求職者が多い印象だ。各社のブースには入れ代わり立ち代わり人が訪れ、賑わいを見せていた。
記者が何げなく立ち寄ったのが、神奈川県西部などを中心にバスを運行する企業のブース。席に座るなり始まったのが、賃上げアピールだ。採用担当者は「業界は人手不足解消に本腰を入れており、春闘で結構な賃上げが達成されました。今は賃上げ合戦で、運転手の奪い合いさえ起きています」と言う。実際、会場では「給料〇%アップ!」といった張り紙があちこちに貼られ、賃金アップを猛烈にアピール。提示された初任給は、おおむね22万円程度だった。
■採用前から休日出勤を要請
しかし、それでも運転手は足りていない様子。ブースで渡された1カ月の出勤表の例を見てみると、第1土曜日と第3土曜日が「休日出勤」と書いてあった。すかさず採用担当者が説明する。
「心苦しくはありますが、運転手の皆さんには休日出勤をお願いしています。採用する前からこんな話をするのもアレですが、そうでもしないと回らないんです。もちろん、休みの希望はできるだけ応えますし、時間外勤務手当が出ますので、稼ぐチャンスと思っていただければ……」
1社のみならず、説明を聞いた6社全てが、休日出勤を要請していた。どこも人手不足だということを改めて実感した。