徳島市立図書館(徳島県)緑に癒やされる駅前のオアシス
オフィスやホテル、ショップなどが入る複合商業ビルの2フロアを拠点とするのが徳島市立図書館、愛称「はこらいふ図書館」だ。
JR徳島駅前という立地で、午前9時~午後9時の開館という利便性の高さから来館者数は年間45万人に上る。5階は子ども室、6階は一般室とフロアが分かれており、それぞれの利用者が気兼ねなく過ごせるのもうれしい。
利用者数の多さは館内の居心地の良さも理由の一つだ。6階一般室へ続くエレベーターの扉が開くと、ビル内とは思えないみずみずしい緑が目に飛び込んでくる。「“街中の森”をデザインコンセプトに、観葉植物をふんだんに取り入れ、癒やしの空間づくりを目指しました。シンボルツリーのエバーフレッシュの木の下でも本が読めますよ」と話すのは廣澤貴理子館長。
館内を分けるパーティションは床から天井まで連なる観葉植物のプランターで構成され、プランターと一体型になったソファやテーブルにもストレリチアやドラセナなどの観葉植物が色とりどりの葉を広げている。
一般室には189席が用意され、まるで植物園のような空間で読書を楽しむことができる。
蔵書数は市内を巡る移動図書館を含め約57万冊。徳島市出身の瀬戸内寂聴の著作や関連書籍が充実し、朗読会の題材にもなっている。