「社会の分断」から「内戦」の時代へ トランプと斎藤元彦知事の支持者はエリート層が大っ嫌い
選挙中は中立公正をバカ正直に守るメディアをしり目に、YouTubeなどのSNS戦略も功を奏し、既成の権力やメディアへの不信を募らせている若者や無党派層が、斎藤の演説会場に押し寄せ、「サイトーコール」が巻き起こった。
危機感を覚えた反斎藤派は選挙終盤、最大の間違いを犯した。県内22の市長たちが対立候補を支援すると発表したのだ。しかもその中の一人が机を叩き口を極めて斎藤批判をした。このバカげた行動がさらに斎藤支持を拡大した。
相手側の敵失と、何でもいいから既成権力を叩き潰せという“付和雷同”支持者たちによって、斎藤は勝利したが、県内に「分断状況」をつくり出してしまった。斎藤が前回の自身の行動を反省することなく、県民から白紙委任状をもらったと錯覚し、ミニトランプになろうとすれば、県内は内戦状態に陥るかもしれない。 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)