セレソン陰の功労者ルイス・グスタボ “いぶし銀” の存在感
今大会前、ブラジル代表で鍵となるのは「ボランチの選手だ」とジュニーニョ・パウリスタから教えられた。ジュニーニョは、02年W杯優勝メンバーである。監督は今大会と同じルイス・フェリペ・スコラーリだった。
「02年代表のエジミウソンは守備的MFだが、3人目のセンターバックでもあった。いわば“偽”センターバックだ。今回の代表でその役割をこなすのがMFルイス・グスタボ(26)だ」
開幕戦となったブラジル―クロアチア戦。ジュニーニョの言葉通り、ルイス・グスタボは中盤の底で相手の攻撃の芽を摘み、時に最終ラインに入ってボールをかき出した。試合を決めたのは、FWネイマールだったかもしれないが、ルイス・グスタボは陰の功労者だった。
■不用意な失点の怖さを熟知するからこその起用
ブラジル人が一般的に好むのは、ネイマール、かつてのロナウジーニョのようにファンタジーのある選手である。堅実ではあるが、派手さのないルイス・グスタボは人気のある選手ではない。ジーコやソクラテスがいた82年大会のような攻撃的な選手を好む監督ならば、代表入りはなかったかもしれない。