中日・谷繁起用はダシ 原監督のセコい「阪神・藤浪対策」
巨人勢が先発メンバーにひとりも入らなかった18日の球宴第1戦。原監督は「ファン投票を重視した」と言っていたものの、「9番・捕手」はなぜか監督推薦で自ら選出した中日の谷繁兼任監督だった。巨人では捕手の阿部がファン投票、選手間投票でも1位。兼任監督の重責を務めている谷繁に敬意を表したというが、重視する「ファンの声」でいうなら阿部のはずだ。
「慎之助(阿部)は甲子園の先発マスク。投手は藤浪、2番手は智之(菅野)…」と阿部をあえて2戦目に回したのは、後半戦を見据えてのことでもある。さる巨人OBはこう言った。
「捕手の阿部に受けさせたい投手が初戦のマエケン(広島)じゃなくて2戦目の藤浪(阪神)だったということ。阿部はマエケンとWBCでチームメートだったし、昨年の球宴でも受けている。キャリア的にも、今さら阿部が捕ってどうこうという投手でもない。だが、藤浪は今年の巨人戦で一度も投げていない。新人時代の昨年は3試合で1勝1敗。今年は前半戦で7勝と成長の跡を見せている上、150キロの球威とクセ球で厄介という印象もある。後半戦に向け、阿部に受けさせておくに越したことはないでしょう」
2位阪神とは3・5ゲーム差。対戦成績も5勝7敗と負け越している。巨人は前半戦、阪神のメッセンジャーに0勝3敗。防御率は1・80と抑え込まれた。20歳の剛腕を新たな天敵にしないよう、原監督はしたたかに阿部にデータを取らせるつもりかもしれない。