ヤクルト史上初 FA成瀬、大引を一挙獲得の「資金」と「手法」
「フロントが必死に動いてくれている中で、協力できてよかった」
笑顔でこう語ったのはヤクルトの真中満新監督(43)。FA交渉の解禁日となった13日、ヤクルトは速攻で意中の2人の“恋人”にアタックをかけた。
午前に日本ハムの大引啓次(30)、夕方からはロッテの成瀬善久(29)と交渉。秋季キャンプ中の愛媛・松山から真中新監督が飛び入りで参加して誠意を見せた。
ヤクルトは大引に3年総額3億円、成瀬には3年総額6億円(ともに推定)の条件を提示。交渉後には1万5000円とも2万円ともいわれる高級懐石をふるまった。大引は「どうしても来てほしいという熱意を感じた」と笑顔。成瀬も「すごく評価をしてもらった」と話し、2人のヤクルト入りは濃厚だ。
■昨オフの二の舞だけは避けたかった
FAで2人の獲得に成功すれば球団史上初。成瀬は阪神、大引はオリックス、楽天などが名乗りを上げる中、他球団をリードしたのは理由がある。
ヤクルトは来年、本社が創業80周年を迎えることもあり、衣笠球団社長は早くから大型補強に乗り出す方針だった。ドラフト、助っ人獲得も含めれば、球団史上最高レベル、10億円級の資金を用意しているという。「取れそうな選手を早い段階で絞り込んだのも大きい」と、さるヤクルトOBがこう続ける。