相川が巨人へ 正捕手争いで怖いのは「小林より阿部」の理由
ヤクルトからFA宣言している相川亮二(38)が21日、ヤクルト球団事務所を訪れ、巨人移籍を正式に表明した。「若い選手に押し出された形だが、まだまだ結果を出していける気持ちがある。プロ野球選手として最後まで勝負できる場所があるなら、そこで勝負したい」と話した。
今季は24歳の中村の成長もあって58試合の出場に終わった。巨人には年俸6000万円プラス出来高の1年契約を提示されている。現在の1億1000万円からは半額近いが、金銭面より、むしろ、引っかかる点があったという。相川と近しい関係者がこう明かす。
「一塁へ完全コンバートされる阿部のことですよ。本当に『完全』なのかという一点を気にしていた。原監督も『また捕手で頼む、とならないように覚悟を決めてやる』とコメントしていたけど、巨人はひとりが複数のポジションを守るのが基本。チーム状況が悪くなったり、相川も小林もパッとしないとなった時、阿部が捕手として復帰することは本当にないのか。この点を重視して聞いたみたい」
巨人の正捕手争いは実質、来季2年目の小林誠司(25)との一騎打ち。相川は巨人との交渉後、「力が五分なら若い方を使うでしょう」と話したものの、その口ぶりからは自信があふれていた。「阿部や古田さんや谷繁さんとか、絶対的な存在なら外せないのは分かる。でも、そうでないなら勝負したい」とも話していた。
大きな決断を下したベテラン捕手が恐れるのは若い小林ではない。「絶対的」な阿部が、何かの拍子にマスクをかぶらないか。交渉の際に「確約」を得られたとしても、「チームの活性化」を掲げ、配置転換を乱発している原監督が、約束を守ってくれるとは限らない。