“鬼門”の神宮で雪辱 中日・大野の成長を捕手とコーチが分析
「1-0の試合で最後まで投げられたのがうれしい」
7日のヤクルト戦、大野雄大が7安打完封で今季初勝利を挙げ、喜びをかみしめた。
鬼門の神宮だった。昨季は1勝2敗、防御率7.82。4月26日のヤクルト戦では初回に先頭から6者連続で出塁を許し6失点。1回でKOされて試合中に名古屋に強制送還された苦い経験もある。見事にリベンジを果たした左腕の力投をネット裏のスコアラーはこう見た。
「ストレートに力があったし、効果的だったのはフォークとツーシーム。特に今季は、ほとんど投げていなかったフォークを多投する。落ちるボールが増えたことで、ツーシームやスライダーでも空振りを取れるようになり、さらに手ごわくなった」
フォークは、阪神のメッセンジャーを参考にし、昨秋キャンプから磨きをかけてきた。この日、最後の打者となった畠山に対して、バッテリー間ではこんなやりとりがあった。
5球目のツーシームが暴投となり、一塁の山田が二進。一打同点、サヨナラ負けのピンチとなった。その6球目。大野は捕手武山のストレートのサインに首を振り、あえてフォークを投じた。落ちるボールを意識させ、最後はストレートで空振り三振。フォークへの自信があってこその勝利だった。